「老妓抄」(岡本かの子)
貪欲に生を貪ろうとする老妓のエネルギー 「老妓抄」(岡本かの子)(「老妓抄」)新潮文庫 「老妓抄」(岡本かの子)(「岡本かの子全集第5巻」)ちくま文庫 長年お座敷をつとめ、財を成した老妓が、ふとした気まぐれで発明家志望の...
貪欲に生を貪ろうとする老妓のエネルギー 「老妓抄」(岡本かの子)(「老妓抄」)新潮文庫 「老妓抄」(岡本かの子)(「岡本かの子全集第5巻」)ちくま文庫 長年お座敷をつとめ、財を成した老妓が、ふとした気まぐれで発明家志望の...
男に理解できない岡本かの子の「女心」 「桃のある風景」(岡本かの子)(「女心についての十篇 耳瓔珞」) 中公文庫 桃花の中へ入ってしまえば、何もかも忘れた。一つの媚めいた青白くも亦とき色の神秘が、味覚に快い冷たさを与えた...
男女の意思の疎通はかくも難しいものなのか 「越年」(岡本かの子)(「老妓抄」)新潮文庫 「越年」(岡本かの子)(「岡本かの子全集第5巻」)ちくま文庫 「越年」(岡本かの子)(「女体についての八篇 晩菊」) 中公文庫 ある...
恋愛は成就しなくても 「鯉魚」(岡本かの子)(「老妓抄」)新潮文庫 京都大堰川沿いにある臨川寺の青年・昭は、五月のある日、川辺に倒れている少女・早百合姫を助ける。戦乱の時節ゆえに寺に取りなすこともできず、昭は姫を屋形船の...
三者三様の「庭」の姿 「百年文庫015 庭」ポプラ社 「庭の眺め 梅崎春生」庭というほどのものではない。方六七間ばかりの空き地である。以前ぐるりを囲っていた竹垣は、今は折れたり朽ちたりして、ほとんど原型を失っている。あち...
まさに「快走」です 「快走」(岡本かの子)(「岡本かの子全集第5巻」)ちくま文庫 花嫁修業を強いられている道子は、夕日を眺めているうち、女学校時代の陸上選手としての感覚が甦る。以来、銭湯に行くと称しては、夜の多摩川堤防で...
暗い時代に多様性を失わなかった日本文学 「日本文学100年の名作第3巻 三月の第四日曜」新潮文庫 「猫町 萩原朔太郎」詩人の「私」は、散歩の途中で方角が分からなくなり、近所の町でさえ見知らぬ場所に感じる経験を度々...
母の力、強し 「鮨」(岡本かの子)(「日本文学100年の名作 第3巻」) 新潮文庫 「福ずし」にときどき訪れる五十過ぎの紳士・湊は、いつからか「先生」と呼ばれていた。店の看板娘・ともよは、湊のことが気になっていた。ある日...
お父さんは女の子、お母さんは男の子 「秋の夜がたり」(岡本かの子) 青空文庫 父母息子娘の一家四人が 田舎から都へと向かう旅路の途中で 一夜を宿したホテルでのこと。 かねてよりの約束通り、 父母は二十と十九になった 子...
意識して求める方向に求めるものを得ず 「金魚撩乱」(岡本かの子) (「百年文庫015 庭」)ポプラ社 金魚屋の復一は、 令嬢・真佐子へ思いを寄せるものの 気持ちを表すことができない。 復一は真佐子の父親の援助を受け、 金...